13項目の公開質問状の内容

  • Home
  •   »  公開質問状・要望書・鈴鹿市からの回答
  •   »  13項目の公開質問状の内容

                                     令和 5年 9月 1日 (金)
鈴鹿市長 末松 則子 様
鈴鹿市教育委員会 教育長 廣田 隆延 様
                                   小学校を存続 させる3地区の会
                                   代表世話人 畑 憲二
                                   鈴鹿市徳田町 1611番 地の 1
                                   TEL 090-2923-7553

                  公開質問状

時代の流れと共に地方公共団体の財政難や少子化のあおりを受けて、全国的な小中学校の統廃合の波が押し寄せています。文部科学省は、統廃合による弊害を懸念し、2015年に、学校統廃合に関する新たな「手引」 (公立小学校 。中学校の適正規模・適正配置等に関する手引)を各教育委員会へ通知しました。その中で、
① 学校規模を重視する無理な統廃合をしてはいけない。
② 小規模校には教育上の利点があるので、小規模校として残して充実することが好まし  い。という方向性を示しています。そして、もし統合するにしても、
① 通学距離・時間が子どもたちの心身、安全、学校の教育活動に与える影響を十分に検討して無理のないように配慮すること。
② 学校の持つ地域的意義を考慮すること。
③ 十分に地域住民の合意を得ること。
が示されました。この手引きにより、鈴鹿市では、2018年に「鈴鹿市学校規模適正化・適正配置に関する基本方針」 を作成し、「学校は地域コミュニティと密接な関係があるため、地域と共に方策を検討しながら進めます。」と地域コミュニティヘ十分な配慮をする事を明記しています。
一方、統廃合を予定する合川、天名、郡山の3小学校に対して、「各小学校の今後のあり方検討会」や「地域説明会」が開催されています。しかしながら、統廃合ありきで、存続に向けた意見に対して十分な討議や満足いく説明が無いまま過ぎようとしています。地域、保護者、子どもたちが主体的に考え、十分に協議し、作り上げていく過程がないがしろにされています。
この為、議論未熟として3小学校の統廃合について白紙撤回を求め、不満を積もらされてきた有志が結集して、「小学校を存続させる3地区の会」を結成しました。
以下に、公開質問状の形で、施策の方向性をお尋ねします。
回答希望期日:令和5年 9月 8日 (金)ま でにご回答をお願い申し上げます。

<小学校を統廃合したい根拠に対して>
(1)学校規模によるデメリッ トとされているものは、本当にデメリットですか。
■小規模校は切磋琢磨、相互啓発がなされ難い。
子どもの自然な競争意識を芽生えさせるのに、大規模な集団は不要です。大人社会からの過度の競争意識は、子どもたちが積極的、能動的にならず、負担になり、疎外感や無気力を生み出すことになりかねません。国連子どもの権利委員会は、過去何度も、日本政府に対し、過度な競争を避けるよう勧告をしていますが、全く改善されていません。
■小規模校は人間関係が固定化されやすい。
学校や家庭、地域社会では、親密で安定した異年齢の人間関係が大切です。その人間関係の中で自己肯定感や社会性が育まれます。社会性とは、主体的に生きることです。周りの人たちと力を合わせ、集団の中で自分の役割りをしっかりと果たし、周りに働きかけ、行動し、変えていく力です。年齢や成長段階にふさわしい規模の集団の中でこそ、だんだんに培われるものです。親密で安定した人間関係を築くことが出来る小規模校ほど、いじめも起こり難く、起きたとしてもすぐにもみんなで適切に対応出来ます。
■部活動が限定される。
諸外国では、部活動は、学校が行うのではなく、社会教育活動として地域で予算立てし、公的に保障されています。日本の教員の労働時間が長いのは、授業以外の業務 (課外活動、生徒指導、事務処理)が多い為とOECDでは明確に指摘 しています。学校が行う部活動か、それとも地域の中の優れた専門指導者の下か、子どもたちにとってどちらが良いかは明らかです。 日本の風土、歴史的経緯がありますが、学校での部活動を社会教育活動へ比重を移す時期にきています。

(2)複式学級の良さをご理解されていますか。
■単式学級では十把 一絡で落ちこばれようが実際にはもっと出来ようが、みな同じぺースで授業が進んでいきます。 複式学級の場合には、個別に 寄り添っての融通がきく指導が可能で、個々に必要な課題を与えることが出来ます。複式学級の良さが評価されています。
■三重県下の複式学級は、令和5年時点で92学級と年々増加しています。6月 の県議会では、複式学級を運営していく上での研修等の充実を図る等の方針が示されています。
■隣接する亀山市では、11小学校の内、4小学校が複式学級となり、今後も統廃合は実施しないことを宣言しています。
■複式学級とする場合の基準は、連続する2学年の児童数が 16人以下ですが、愛知県では14人以下、長野県では8人以下です。しかも、長野県の飛び複式学級では、いずれの学年も4人以下としています。
■廣田教育長からも「複式学級は必ずしも悪いものとは思わない。」との発言もありました。

(3)学校の統廃合は、い じめ対策にな りますか。
■いじめが起きた場合の対処は、カウンセラーの協力を得ながら被害者の児童を継続的に支援することが必要です。クラス替えはいじめの根本対策にはなりません。又、統廃合を推進すれば、いじめが減少するわけでもありません。

<統廃合に反対する理由>
(4)小学校の統廃合により地域コミュニティが崩壊 しませんか。
■小学校が統廃合されると、学校区毎にある PTAは、 1つに統合されます。又、まちづくり協議会、体育振興会、老人会、自治会等の各団体も学校区単位に再編成されていきます。各学校区毎に設置されている地区市民センターも1つに統合されていきます。又、文化祭、町民運動会も1つ になり、各地区固有の伝統文化も消滅していきます。

(5)生活圏の異なる地域の統廃合に、無理はありませんか。
■郡山小学校区と合川・天名小学校区は、生活圏の異なる地域です。郡山小学校は、新興住宅地に平成3年に設立され、創立32年の小学校です。一方、合川・天名小学校は、2000年前の稲作遺構が残る田園地帯に囲まれ、明治時代に設立され、間もなく創立150年を迎える小学校です。生活圏が異なり、地域の慣わし (風俗風習)、 伝統文化が異なる地域です。

(6)世界は小 さな学校、小さなクラスに向かっています。逆行 していませんか。
自WHO (世界保健機構)の基準では、初等教育の学校規模を100人以下、1学級20人以下です。又、OECD(経済協力開発機構)38ヶ 国の初等教育では、1学級の平均が21.2人、1学年1学級が一般的です。
■経済協力開発機構によると、国内総生産 (GDP)に 占める教育機関への公的支出の割合は、日本が2.8%と 、加盟国中、ワース ト2位です。
■学校教育法施行規則第41条には、小学校の学級数が 12~18学級を標準とすると規定されています。但し、地域の実態その他により特別の事情があるときは、この限りでない。と記載されています。本来、小規模校を認める意図の但し書き規定を鈴鹿市は、18学級を24学級へと大規模校を更に拡大する解釈をしています。鈴鹿市の特別な事情を示して下さい。
又、鈴鹿市は「過密解消学級編成」として、1ク ラスの人数を国・県の規定より少なくする制度がありました。しかし、令和3年に小学校の学級編成を40人から35人へ法改正がされた後に、数の見直しがされていません。この理由をご説明下さい。

<今後の事 (特認校・小中一貫校)>
(7)特認校制度の入学条件が厳 し過ぎます。緩和出来ませんか。
■特認校制度の利用で効果を上げている県もあります。福岡県では「海っ子山っ子スクール」 として通学 1時間以内なら小学校を選べる制度が有り、学校の70%を超える児童が校区外から通学しています。鈴鹿市の場合の特認校制度の利用は、通学は親の負担、進学先中学校の指定等の義務を負わせ、しかも、1年入学時にしか入学機会がなく、条件が厳しくて狭き門としている実態があります。運営側に、何の為に特認校制度を利用しているかの目的意図の周知が図られていません。
■そもそも、市は合川小学校では、特認校制度により20年間は複式学級が生じないと言っていたことと、特認校制度に応募してきた方々へはどのような弁明をするのでしょうか。

(8)小中一貫校は、どの点が子 どもにとって、又、地域にとって有益ですか。
■教育委員会は、経済効率性を最優先にではなく、子どもたちにとっての利益を最優先に考え、どのような一貫校が最善の形であるかを明確にする必要があります。
■小中一貫校について、天栄中学校を中心に4校の小学校の小中一貫校化を提案されていますが、天栄中学校の生徒の半分は稲生小学校からの生徒です。稲生小学校の残りの半分は自子中学校へ進学しています。稲生小学校の扱いはどのようになりますか。天栄中学校に関係する小学校は4校ではなく、5校であるとの認識をもっていますか。
■施設分散型 (分離型)(併用型)(チ ェーンスクール) の小中一貫校と呼ばれるものは、3~5小学校、1中学校の敷地はそのまま別々で、教員や児童生徒 が移動して学習・活動する形態の小中一貫校です。学習指導方法等を小中グループで統一し、9年間の系統性をもたせた授業作りをします。小小交流活動、小中交流活動も行います。小中合同学習や乗り入れ授業の実施をして、各学校の人的・物質的資源を相互に活用しながら経済効率性と教育多様性を同時に追求した学校間連携の考え方に基づく学校です。徳島モデルの小中一貫校は6-3制のまま、他県では、5-4制、4-5制の他に、4-3-2制 もあります。京都では小学校高学年のリーダーは5年生でないと無理と判断して5-4制を採用しています。各小学校が存続する形態なら地域コミュニティが崩れないので検討の余地があります。
■一体型小中一貫校は、各小学校を廃校|こ して中学校敷地内又は近隣に、一体とする形態が主流でしたが、地域コミュニティの崩壊につながる為に、近年は分散型小中一貫校が増えています。各小学校を廃校にすることは承服出来ません。

<懸念事項>
(9)跡地利用 の協議は、早すぎませんか。
■M町自治会の議事録には 令和 5年4月 2目 に教育委員会と面談 し、4/1付け人事異動により小学校の再編について担当者が代わっても統廃合に向けた変更が無い事を確認 し、跡地利用の協議を早期に開始するよう協議 した旨が記録されています。
小学校の跡地利用を議題に挙げるのは地域に分断を招きます。

(10)あ り方検討会議では、存続意見を正当に取 り上げま したか。
■天名小学校のあり方検討会議は8回開催され、令和4年 3月 24日 (本)の 8回目会議の議事録には、特認校のメニュー作りが記録されています。会議では、存続に特認校制度の利用しかないと説明、反対意見を聞かず、参加の委員をグループに分けて、特認校のメニュー作りをしました。知識の無いところで強制され、「実現の可能性がないでですね。」と思わせる内容で、時間の無駄でした。当時の会議録音を検証して下さい。

(11)教育委員会定例会で、まともな協議がされていますか。
■令和5年 7月 11日 (火)に、7月 度教育委員会定例会が開催されました。前日の10日 には、市長の定例記者会見で、無理に統廃合は進めない方針が示されました。 新聞報道等で市内各地では、大きな関心が巻き起こり、翌日に開催された教育委員会定例会が注目されていました。
しかし、学校再編の議題にもかかわらず、教育委員会から何の説明もされず、委員からの意見も上がりませんでした。まともな協議がされていないと、大きな失望と違和感が有りまし′た。

(12)リ ニア中央新幹線、亀山駅が出来ます。近未来に大きく発展する地域との認識
はありますか。
■合川小学校では、令和6年に2学年、3学年が複式学級となります。更に令和 12年には単学級に戻ります。又、令和 14年に複式になるものの、翌年には単学級に戻り、向こう20年間は、ほんの数人が不足する微妙な状況が続きます。ここで、津、亀山、鈴鹿の接点であり、合川に隣接する下ノ庄に亀山駅が出来るなら、拠点地域となって状況は一変します。

(13)地域、子 どもたち、保護者 との協議が最も重要ではないですか。
■7/10市長の定例記者会見においては、統廃合については、出来るだけ地域の気持ちに沿いたいとの発言がありました。しかし一方では、方針決定の材料として「PTAへの意向調査、議会の意見、パブリックコメント(意見公募)」 を挙げています。地域が協議不十分としているのを打ち切り、当事者意見よリー般意見を重視して結論を出そうとする姿勢は地域の気持ちを逆なですることです。各代表者に意見を求めることは重要ですが、当事者を抜きにした協議となると、一般的に、過疎地域は犠牲になろうとも全体を守るために我慢してほしい、長いものにはまかれろ的な結論しか生まれません。本当に地元の地域や子どもたち、保護者に寄り添い、耳を傾ける考えはあるのでしょうか。 地域や子どもたちや保護者の支援を今後もしっかり確保し、地域に密着した学校を作り上げようとするなら、地元の当事者ととことん話し合う姿勢が重要です。
■教育委員会が統廃合の根拠とする「鈴鹿市学校規模適正化・適正配置に関する基本方針」は、鈴鹿市学校規模適正化検討委員会で審議されています。平成29年 8月 19日 に開催された最初の会議では、「本委員会では学校規模や配置などの考え方を全市的な視点でとりまとめるものである。そのため,個別の学校や地域の学校の再配置については,本委員会ではなく,その地域の自治会や地域住民を交え,今後,再編計画として別に進めていくことになる。」と、議事録に記載されています。又、「学校は地域コミュニティと密接な関係にあり,行政主体より地域が主体となるものである。行政主導での統廃合等は,失敗することが多い。」とまで記載され、学校規模適正化・適正配置に関する主体は、行政でなく地域であることを明記しています。




○当ホームページの掲示板アドレスです。ご意見等は

 クリックしてご投稿ください。           
https://kan.bbs.wox.cc

お問い合わせ